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2004.11.28

しわいや/落語

「しわい」とはケチのこと。ケチもここまできわまると、みごとな芸です。

ケチ道をきわめた男。

飯を食う時に、
一年間一つの梅干で済ませるという
自慢を聞いてせせら笑い、
まだ修行が足りねえ、
オレなら梅干を食わずににらんでいて、
口がすっぱくなったところで飯を食う
とやっつける。

それに挑戦しようという男が現れ、
夜訪ねると、
先生、明かりも点けない真暗がりで裸で座っている。

寒くないか
と聞くと、
よく見ろ、頭の上から大石を吊るしてあるから、
いつ落ちるかと冷や汗をかくので、それで温まる
と言う。

大変な野郎があるものだと降参して退散しようと、
履物を探すからマッチを貸してくれと頼むと
「てめえはそれだからダメだ。
目と鼻の間をゲンコツで殴り、その火で探せ」
と言うので、
「そんなことだろうと思って、初めから裸足で来ました」
「オレもそうだろうと思ったから、あらかじめ畳を裏っ返しておいた」

【うんちく】

ケチ兵衛しつこく登場!

「しわい」は元々上方言葉です。

「しわん坊」「しわいの根っこ」「あかにしや」
「六日知らず」「始末屋」などの同義語があります。

ほかに「伊勢屋」ともいいますが、
これは、質屋の屋号に多く、質屋はケチが多いと
いうところから。

落語ではケチの苗字(屋号)が「あかにしや」か
「しわいや」、名前を「ケチ兵衛」「ケチ左衛門」
「しわ右衛門」などとしています。

ケチ噺いろいろ

一席の独立した噺としては「味噌蔵」「死ぬなら今」
「位牌屋」「片棒」「あたま山」などがあります。

「しわいや」は、どちらかというと、ケチの小ばなしの
オムニバスとも呼べる軽い噺です。

似たような小品に、
「二丁ろうそく」「始末の極意」があり、
この三席は互いに、内容が一部重複していますが、
それぞれにケチぶりを競います。

ケチ兵衛流「ケチ道実践」

「しわいや」では、

●火事で全焼した家におき火をもらってこいと
小僧に言いつけ、断られると、

「今度こっちが焼けても、火の粉ひとつやるもんか」

という噺や、

●蒲焼のにおいで飯をかっこんでいた男が
鰻屋にかぎ賃を請求され、金をチャリンとばらまいて

「音だけ持って帰れ」

という噺を、よく付け加えます。

だそく

本場・大阪のケチ道の極意は、「生き金」を
使うことにあり、むやみに節約ばかりするのは
「シブチン」「しみったれ」として、
かえって軽蔑されるとか。

要するに、五円使ったら十円となって戻るような、
有効な投資こそ大切、ということなのでしょう。

なお、海外では「スコットランド人」が
ケチの代名詞とされています。

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