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2005.08.31

二人旅(ににんたび)/落語

謎かけは落語の代表的なジャンル。謎かけがふんだんの噺です。

気楽な二人連れの道中。

一人が腹が減って、飯にしようとしつこく言うのを、
謎かけで気をそらす。

例えば
「二人で歩いていると掛けて、何と解く?」
「豚が二匹と犬っころが十匹と解く」
「その心は?」
「豚二ながらキャンとう者(二人ながら関東者)」

そのうち即興の都々逸(どどいつ)になり
「雪のだるまをくどいてみたら、何にも言わずにすぐ溶けた」
「山の上から海を眺めて桟橋から落ちて、泳ぎ知らずに焼け死んだ」
と、これもひどい代物。

ぼうっとした方が人に道を尋ねると、
それが案山子だったりして、
さんざんぼやきながらやっととある茶店へ。

行灯(あんどん)に何か書いてある。

「一つ、せ、ん、め、し、あ、り、や、な、き、や」
「そうじゃねえ。一ぜんめしあり、やなぎ屋じゃねえか」

茶店の婆さんに酒はあるかと聞くと
「いいのがあるだよ。じきさめ、庭さめ、村さめとあるだ」
「へえっ、変わった銘だな。何だいそのじきさめってのは」
「のんだ先から直に醒めるからじきさめだ」
「それじゃ、庭さめは?」
「庭に出ると醒めるんだ」

村さめは、
村外れまで行くうちに醒めるから。

まあ、少しでも保つ方がいいと
「村さめ」を注文したが、
肴が古いと文句を言いながらのんでみると、
えらく水っぽい。

「おい、婆さん、ひでえな。水で割ってあるんだろう」
「何を言ってるだ。そんだらもったいないことはしねえ。水に酒を落としますだ」

【うんちく】

上方落語「東の旅」の一部

上方落語「煮売屋」を四代目柳家小さんが
東京に移したもので、
東京で演じられるようになったのは、
早くても大正後期以後でしょう。

その「煮売屋」は、長い連作シリーズ「東の旅」のうち、
「七度狐」と題されるくだりの一部です。

「七度狐」はさらに細かく題名がついていて、
発端が、おなじみ清八・喜六の極楽コンビが
お伊勢参りの道中、
奈良見物のあと、野辺で尻取り遊びなどしてふざけ合う「野辺歌」から
「煮売屋」に続き、このあと、イカの木の芽あえを盗んで
捨てたすり鉢が化け狐の頭に当たったことから
怒りを買って化かされる「尼寺つぶし」へと入ります。

煮売屋は、ここでは道中ですから
宿外れの立て場酒屋ということになります。

上方では独立して演じられることは少なく、
一席にする場合は、侍を出し、煮売屋のおやじとの、
このあたりでは夜な夜な白狐が出るというやりとりを
コンビが聞きかじり、隣の荒物屋で侍気取りの口調で
口真似するという滑稽をあとに付けます。

小さんの工夫

道中のなぞ掛け、都々逸を付けたのは
四代目小さんの工夫で、
上方の「野辺歌」(→前項)のくだりを
参考にしたと思われます。

ただ、それ以前に、東京の噺家ながら
長く大阪に在住して当地で活躍した三代目三遊亭円馬が
上方の「七度狐」をそのまま
江戸っ子二人組として演じた速記があり、
その中で二人が珍俳句をやりとりするくだりがあるので、
その辺りもヒントになっているのでしょう。

四代目の演出は、そのまま五代目小さん、
さらにその門下へと受け継がれ、
現在もよく口演されます。

都々逸(どどいつ)

文政年間(1818~30)に発祥し、流行した俗謡です。

前身は「よしこの節」で、
その囃し詞「どどいつどんどん」から名が付きました。

歌詞は噺に登場する通り、七七七五が普通で、
江戸独特の洒落や滑稽を織り交ぜたものです。

昭和初期から戦後にかけては、故・柳家三亀松が
「お色気都々逸」で一世を風靡しました。

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コメント

いつもブログ拝見しております。
大変素晴らしいブログで感銘を受けております。
事後報告ではありますが、私のブログにおいて記事引用させて頂きました。
もしも問題ありましたら削除いたします。
では失礼いたします。

投稿: 落語マン | 2012.03.15 00:41

落語マン様

いつもご覧いただき、さらに貴ブログにて
ご紹介賜り、恐縮です。

本当にありがとう存じます。

なかなか更新できず申し訳ありませんが、
近々新企画も考えておりますので、これからも
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
                (たか)

                     

投稿: たか | 2012.03.16 09:07

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