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2005.10.29

三笑亭夢楽

                                                                                                     三笑亭夢楽

夢楽のこと

1925年1月5日、岐阜県生まれ。本名渋谷滉。

五代目古今亭今輔に入門したのが1949年3月。前座名は今夫。
このとき、同年の米丸は入門4年目で今児、
夢楽入門の翌月、米丸襲名で真打昇進。
二歳年長の現・円右は入門三年目で寿輔、二つ目。

2年修行したが、やはり古典をやりたいと今輔に願い出て、
1951年4月、八代目三笑亭可楽門に移る。
ここには当時ただ一人の兄弟子、現・笑三が前座で可寿美。
この人も1925年生まれの同年。

今輔は今夫を連れ、一升瓶を提げて可楽宅に挨拶に。
だから本人いわく、
「あたしは酒一升でトレードされた(笑)」。

あとは順調で、翌5月、夢楽で二つ目。
「むらく」はそれまで九代を重ねるが、亭号は「朝寝坊」で、
いずれもカナ書きだから、「三笑亭夢楽」は正真正銘の初代。

1958年9月、桂小南、桂伸治(十代目桂文治)、春風亭柳昇
四代目春風亭柳好、三遊亭小円馬とともに、
「十把一からげ」で真打昇進。
この6人のうち、小南を除いた5人に
柳家小せん、金原亭馬の助が加わった面々がレギュラーで、翌59年3月、
お笑いヴァラエティ番組のはしり、「お笑いタッグマッチ」(フジテレビ系)がスタート。
この昼帯の30分番組は大人気になり、夢楽ほか7人はたちまち売れっ子に。
これは67年まで続いた長寿番組だった。

28日付の「日刊ゲンダイ」で、吉川潮が、
連載中の「テレビが面白かったあの頃あの人」でこの番組に触れ、
「以上の7人のうち存命なのは、夢楽(80歳)と小せん(82歳)だけになってしまった」
と書いた日に、その夢楽が仲間のもとに旅立ったのも何かの因縁。
かくてとうとう、「タッグマッチ」七人の侍の生き残りは、小せんただ一人に。

大正生まれの落語家

大正生まれの現存の噺家は、事実上引退状態の師匠を含め、

上方落語協会で

桂米朝(1925.11.6生)

笑福亭松之助(1925.8.6生)

関西落語文芸協会で

林家染三(1926.10.8生)

落語協会で

柳家小せん(1923.7.24生)

柳家さん助(1926.8.6生)

落語芸術協会で

桂米丸(1925.4.6生)

三遊亭円右(1923.12.8生)

三笑亭笑三(1925.10.28生)

三遊亭右女助(1925.9.19生)

柳家金三(1926.1.10生)

以上、10人となりました。

若手落語会とは?

劇評家・安藤鶴夫(1908~69)の肝いりで、
「芸術祭男」の異名を取った天才プロデューサー
湯浅喜久治(1929~59)が主宰した
一流劇場のホール落語形式という、
画期的な若手落語家の勉強会。

第1回は1955年1月。

年4回、3か月おきの公演で、
日比谷の第一生命ホールで開かれていました。

同人は協会を問わず、安藤や湯浅がこれと見込んだ
当時の前座、二つ目の有望株で、
親分肌の夢楽は発足当初から、
世話人として参画していました。

初期のおもなメンバーは、
金原亭馬の助(先代)、のちの小南、円楽、志ん朝など。

創立メンバーには、当時19歳だった
柳家小ゑん(現・立川談志)もいました。

1958年12月、若手落語会は昭和33年度の
芸術祭団体奨励賞を受賞しましたが、
翌59年1月、公演直後に、
湯浅が睡眠薬ののみすぎで変死。

夢楽が連絡のない湯浅をアパートに訪ね、
その死体の第一発見者になったことは
安藤の直木賞受賞作「巷談本牧亭」に実名で書かれています。

夢楽は湯浅の遺志を引き継ぐ形で、以後約20年、
若手落語会を主宰し続け、後進の育成に大きな貢献をしました。

諸行無常、合掌。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

三笑亭夢楽

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コメント

はじめまして。検索で参りました。
夢楽師匠に関する駄文を書いております。こんな折りですが、「下半身」に関するウィットに富んだ経験的なネタも多かったような?いかがだったでしょうか?

投稿: グレート・ゴーヤ | 2005.10.30 16:43

グレート・ゴーヤ様

コメントをどうもありがとうございます。

ゴーヤ様のブログも拝見しましたが、
あの師匠がヤギさん(ヒツジさん?)とお楽しみになったということは
耳にしていたものの、あの談○を犯しそこなったというのは初耳でした。

確か、田中小実昌も圧倒されたという
「夢楽の風流夜話」なる、
相当「濃厚な」著書がありましたね。

ともあれ、今後とも当サイトをよろしくお願いします。

投稿: たか | 2005.10.30 22:05

この人は玄人好みなんですね

投稿: 氷点 | 2007.08.22 19:06

氷点 さま

夢楽passed awayしてもう2年。
早いものですね。

おっしゃる通り、「玄人好み」の噺家として、
今後とも語り伝えられていく師匠と思います。(た) 

投稿: | 2007.08.26 23:00

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