三笑亭夢楽
夢楽のこと
1925年1月5日、岐阜県生まれ。本名渋谷滉。
五代目古今亭今輔に入門したのが1949年3月。前座名は今夫。
このとき、同年の米丸は入門4年目で今児、
夢楽入門の翌月、米丸襲名で真打昇進。
二歳年長の現・円右は入門三年目で寿輔、二つ目。
2年修行したが、やはり古典をやりたいと今輔に願い出て、
1951年4月、八代目三笑亭可楽門に移る。
ここには当時ただ一人の兄弟子、現・笑三が前座で可寿美。
この人も1925年生まれの同年。
今輔は今夫を連れ、一升瓶を提げて可楽宅に挨拶に。
だから本人いわく、
「あたしは酒一升でトレードされた(笑)」。
あとは順調で、翌5月、夢楽で二つ目。
「むらく」はそれまで九代を重ねるが、亭号は「朝寝坊」で、
いずれもカナ書きだから、「三笑亭夢楽」は正真正銘の初代。
1958年9月、桂小南、桂伸治(十代目桂文治
)、春風亭柳昇
、
四代目春風亭柳好、三遊亭小円馬とともに、
「十把一からげ」で真打昇進。
この6人のうち、小南を除いた5人に
柳家小せん、金原亭馬の助が加わった面々がレギュラーで、翌59年3月、
お笑いヴァラエティ番組のはしり、「お笑いタッグマッチ」(フジテレビ系)がスタート。
この昼帯の30分番組は大人気になり、夢楽ほか7人はたちまち売れっ子に。
これは67年まで続いた長寿番組だった。
28日付の「日刊ゲンダイ」で、吉川潮が、
連載中の「テレビが面白かったあの頃あの人」でこの番組に触れ、
「以上の7人のうち存命なのは、夢楽(80歳)と小せん(82歳)だけになってしまった」
と書いた日に、その夢楽が仲間のもとに旅立ったのも何かの因縁。
かくてとうとう、「タッグマッチ」七人の侍の生き残りは、小せんただ一人に。
大正生まれの落語家
大正生まれの現存の噺家は、事実上引退状態の師匠を含め、
上方落語協会で
桂米朝(1925.11.6生)
笑福亭松之助(1925.8.6生)
関西落語文芸協会で
林家染三(1926.10.8生)
落語協会で
柳家小せん(1923.7.24生)
柳家さん助(1926.8.6生)
落語芸術協会で
桂米丸(1925.4.6生)
三遊亭円右(1923.12.8生)
三笑亭笑三(1925.10.28生)
三遊亭右女助(1925.9.19生)
柳家金三(1926.1.10生)
以上、10人となりました。
若手落語会とは?
劇評家・安藤鶴夫(1908~69)の肝いりで、
「芸術祭男」の異名を取った天才プロデューサー
湯浅喜久治(1929~59)が主宰した
一流劇場のホール落語形式という、
画期的な若手落語家の勉強会。
第1回は1955年1月。
年4回、3か月おきの公演で、
日比谷の第一生命ホールで開かれていました。
同人は協会を問わず、安藤や湯浅がこれと見込んだ
当時の前座、二つ目の有望株で、
親分肌の夢楽は発足当初から、
世話人として参画していました。
初期のおもなメンバーは、
金原亭馬の助(先代)、のちの小南、円楽、志ん朝など。
創立メンバーには、当時19歳だった
柳家小ゑん(現・立川談志)もいました。
1958年12月、若手落語会は昭和33年度の
芸術祭団体奨励賞を受賞しましたが、
翌59年1月、公演直後に、
湯浅が睡眠薬ののみすぎで変死。
夢楽が連絡のない湯浅をアパートに訪ね、
その死体の第一発見者になったことは
安藤の直木賞受賞作「巷談本牧亭」に実名で書かれています。
夢楽は湯浅の遺志を引き継ぐ形で、以後約20年、
若手落語会を主宰し続け、後進の育成に大きな貢献をしました。
諸行無常、合掌。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
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コメント
はじめまして。検索で参りました。
夢楽師匠に関する駄文を書いております。こんな折りですが、「下半身」に関するウィットに富んだ経験的なネタも多かったような?いかがだったでしょうか?
投稿 グレート・ゴーヤ | 2005.10.30 16:43
グレート・ゴーヤ様
コメントをどうもありがとうございます。
ゴーヤ様のブログも拝見しましたが、
あの師匠がヤギさん(ヒツジさん?)とお楽しみになったということは
耳にしていたものの、あの談○を犯しそこなったというのは初耳でした。
確か、田中小実昌も圧倒されたという
「夢楽の風流夜話」なる、
相当「濃厚な」著書がありましたね。
ともあれ、今後とも当サイトをよろしくお願いします。
投稿 たか | 2005.10.30 22:05
この人は玄人好みなんですね
投稿 氷点 | 2007.08.22 19:06
氷点 さま
夢楽passed awayしてもう2年。
早いものですね。
おっしゃる通り、「玄人好み」の噺家として、
今後とも語り伝えられていく師匠と思います。(た)
投稿 | 2007.08.26 23:00