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2006.03.24

今戸焼(いまどやき) 落語

これは短い。千字どころか百字の短い噺です。

役者狂いのかみさんが、
今日も芝居に出かけて帰ってこない。

その留守に戻った亭主、
面白くないので、七輪に火を起こして仰ぎながらブツクサ。

そこへ女房が帰って来て、
あれがよかったこれがよかったと
芝居と役者の噂ばかりするから
「亭主のオレと役者とどっちが大切だ。さてはてめえ、役者とあやしいな」
と、大げんかになる。

「亭主の帰る時間がわからなくてどうする。
第一、てめえの言いぐさが気に入らねえ。
建具屋の吉っつぁんは音羽屋似だの、
源兵衛さんは宗十郎そっくりだのと抜かす前に、
少しは自分の亭主をほめろ」
「あら、おまえさん、福助によく似てるよ」
「役者のか?」
「今戸焼の」

【うんちく】

「留さん」得意ののシブイ噺

残念ながら、原話はまったく不明です。
戦後は、八代目三笑亭可楽、五代目三升屋小勝、
留さんこと九代目桂文治など、ややマイナーな
玄人好みの落語家がよく演じました。

文治はいい男の例に、長谷川一夫やマーロン・ブランドを出し、
「おっかあ、今日は誰の命日だと聞いたら、『佐田啓二さんの』ってやがる」
と、クスグリでサゲていました。

ちなみに、中井貴一のお父っつぁんである
往年の二枚目俳優・佐田啓二の事故死は
東京オリンピック直前の昭和39年(1964)8月のこと。
もう40年余の遠い昔になりました。

古い速記では、演者名があるものとしては
昭和12年に出版された五代目小勝著
「小勝特選落語集」に「福助くらべ」と題して
収録されたものが唯一。

東宝レコードから出ていた文治の音源も廃盤のままで、
現在、CDは八代目可楽のもののみです。

フクスケって?

本来は、福を招くとされる人形で、七福神の一である
福禄寿を写したものでしょう。

裃を着て、頭が大きく、ずんぐりした形が特徴。
絵にもよく描かれます。
叶(かのう)福助ともいい、寛政年間(1789~1800)に
初めて作られました。

ただしここでは、その福助の形に似せた
今戸焼の火鉢のことです。

今戸焼って?

詳しくは、「今戸の狐」の【うんちく】をご覧ください。
なお、「サライ」(’06年4月6日号)の
特集「東京『下町』散歩」)に、今戸神社で売られている
今戸焼の招き猫の写真が掲載されています。

境内には、「今戸焼発祥の地」の碑もあります。

この特集では、「落語の舞台を巡るコース」として、
近所にお住まいの古今亭円菊師匠の案内で、
吾妻橋から待乳山聖天、今戸神社→浄閑寺→御行の松
の散歩コースが紹介されています。

さらには、「ねぎし三平堂」ほか、
唐茄子屋政談」「文七元結」「悋気の火の玉」など、
落語ゆかりの地を散策する恰好のガイドにもなっています。

ファンは必見ですね。

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コメント

はじめまして、今戸焼好きの者です。
私のほうは、落語というよりも、今戸焼そのものの感心から入っているのですが、昔の今戸焼の福助の手持ちのものの画像など紹介しておりますので、よかったらご覧いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: いまどき | 2010.11.06 13:03

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